三十青年漂流記
意欲がわき、急に執筆したくなりました。
あれは7月31日に伊豆に行った日の事。
海洋調査という名目のもと、シュノーケリングを毎年地元の仲間でやるのが夏の恒例行事。
今回、台風うねりが入ってきて波も少し高めな状況。
本来行くはずであった、ヒリゾ浜にも波が高くて行けないという状況でありました。
(※ヒリゾ浜はググってみて〜)
そして、代わりに行った落居海岸というポイント。
本来、ここはシュノーケリングで知られるポイントらしいが、
あれ?波立ってんじゃねえ??
という事で、急遽サーフィンに切り替えました。
出来るっちゃ出来るが、、滑った先には岩場がむき出しになっててメチャ危ないこの海岸。
サーフィンするポイントではないのだから当然といえば当然なのだが、、
結果、
やっぱ危ないし、こええよ!
なんか波でかいし!
そんな時、この駐車場を管理するおじさんが
「その辺の岩場は危ないからやめておけ、向こうに島が見えるだろう?
あそこはサーフィンのポイントにもなってて、プロサーファーも来るからあそこでやっておけ」
と、要約するとそんな事を言われすっかりその気になった僕。
実際このままだと、ボードもオシャカにしかねないし何より怪我しかねない。
が、かなり遠くね??って思うけど、行かないわけにはいかない。
それが自分なりにサーファーとしてやってきた矜持でもあった。
ま、でもせっかく水キレイだし遊びも兼ねて行くか。。
シュノーケリングやりがてら、サーフィンするというこのスタイル。
大谷選手で言えば、二刀流。藤井四段で言えば、王手飛車。
サーファーに見つかったらメチャ恥ずかしいが、幸いここにはサーファーは誰もいないので関係ない。
突っ込まれたとしても、
「ははっ、王手飛車取りなんで」
と、濁せばすむ。
いざ!!
漕げども漕げども、辿り着かない、
手元の時計で確認したとき、確か30分は経っていたと思う。
いや〜遠かった〜、ようやくたどり着いた島。
だがそこには波は立っておらず、また少しあるのかな?と思って注意深く観察してみても、岩場がむき出しの危険な状態であった。
え、できなくない??
こんなに疲れたのに、こんなに漕いだのに。
嫌になっちゃって海に逃げ込んだのさ
気分は、もうたい焼きの様さ。
水はキレイだし、そこそこ大きい魚群も確認できたので良しとする。撮れなかったけど。
もう帰ろう。。つかこれだったら最初のポイントのがまだ出来るよ。
という事でさっそく引き返す。
異変はここから
あれ、ちょっと右に流される??
沖に流されないだけ全然いいけど、右に流されている事に気づく。
む、ちょっとマズい。
帰るべき目印にしていたテトラポットは遥か遠くにあり、気がつくとちょっとずつ流されるのでこれは注意しなければ。
という事でヘロヘロになりながらも漕ぎ続ける事、1時間。
さらなる異変に気づく。
「あれ、どこ、ここ??」
気がついたら、全然知らない海岸にたどり着いていて、焦りを感じ始める。
しかし、落ち着け。まずは上陸する事から。
テトラポット付近には波が打ちつけているので、ここからの上陸は危険すぎるので絶対にダメだ。
はまったら最期なのだ、テトラは。
そんな凶悪なテトラポット群を抜けて、やっと上陸出来そうなところを見つけて、愕然とする。
本当にどこに来てしまったんだろう??
まるで浦島太郎である。
しかしながら、道は繋がっているのだ。歩けば辿り着くはず。
そう考えてる時、ある男の人に声をかけられる。
「波立ってました??すごい遠くにいたけど、大丈夫ですか?」
サーファーの方なのだろう。
かくかくしかじかでここまで流れ着いてしまった事を説明し、現在地の確認と、元にいた海岸の行き方を教えてもらった。
どうやら隣の集落まで来てしまっていたらしい。(集落って聞いても、どの程度の規模かちょっと想像するのが難しいが、まぁ少し遠いらしい。)
が、その方はなんと、
「歩いて行くと遠いので、良かったらここ乗ってください」
と、後ろのキャリアに乗せてくださり、
「ゆっくり行きますねー。」
心遣いまでもが神
それで元いた海岸まできちんと送り届けてくれたのだ。
なんという神。。
車で20分ちょいは走ってたので、歩いていたらとんでもない道のりであっただろう。
わざわざ時間を割いてまで、送ってくれるとは。
たいしたお礼もできぬままお別れしてしまったので、この場を借りてもう一度お礼を申し上げたい。
「本当にありがとうございました」
神が、何かのキッカケでこのブログを目にする。
そんなキセキを願って、文を入力してます。
ヒントは一つ。多摩ナンバー。
困っている人を見かけたら見て見ぬ振りはせず、特にサーファーには絶対に優しくしていこうと決めた日になった。
という事で、わずか2時間余りの出来事ですが、無事に戻ってこれて本当によかったというお話です。